令和2年度名張市議会第390回定例会が3月3日に開かれ、市長の亀井利克氏は施政方針を発表した。「今期の審議案件は38件で、いずれも重要な内容である」と亀井市長は強調した。
定例会では、名張市における少子高齢化や人口減少の問題が焦点となる。亀井市長は、人口減少が進む中で、地域の活性化を図るためには、地方創生が重要であると述べた。昨年の出生数の減少傾向を受け、名張市としても若者の定住を促す施策を進める必要性が強調された。
また、令和2年度の一般会計予算についても言及された。市長は、迫る財源不足を受けて、予算総額は281億1,400万円に達し、前年よりも増加したことを説明した。一般会計の主な施策としては、「元気創造」「若者定住」「生涯現役」の3つの重点戦略を掲げ、総合計画に基づく施策の推進が求められると述べた。特に、新たな名張ブランドの確立に向け、地域資源を活かした産業の創出が期待されている。
市長はまた、現在の国民健康保険に関する懸念を示し、保険税の引き上げが避けられない可能性があることに言及した。市民からは「25%の引き上げが生活を圧迫する」といった声が上がっていることに理解を示した。
続いて、教育委員会の教育長、上島和久氏が教育行政の方針と施策について説明した。少子・高齢化に対応するため、新たにコミュニティ・スクールを設置することや、ICT環境の整備を進めることが報告された。また、医療分野においても、地域包括ケアシステムを強化し、高齢者や障害者の支援を促進することが求められた。その中で、地域力を活用した施策が強調され、「誰ひとり取り残さない」社会に向けた取り組みが重要視されている。
議会では、名張市における市道の認定や、その他の条例改正も議題に上り、安定した地域運営が期待されている。これに加え、太陽光発電設備に関する条項も審議された。本市は自然環境保護の観点からも、この条例が地域住民の同意のもとに進められることを重視している。市民に理解されるよう、環境調和を図りながら進めていく必要があるとの見解が示された。