令和3年名張市議会第399回定例会が9月8日に開催された。都市整備部や福祉子ども部などから補正予算が提案され、様々な議論が展開された。今回の補正予算には、名張市全体の財政状況を反映した内容が盛り込まれている。
議案第51号から第59号までの補正予算を一括で審議する中で、木平秀喜議員は、補正予算が計上された根拠について質問した。補正予算には6億9,612万円の基金積立金が含まれており、その内訳には国民健康保険財政調整基金と介護給付費準備基金が挙げられた。市の総務部長、我山博章氏は、「令和2年度決算に基づく剰余金の発生に伴うもの」と説明した。
さらに、森脇和徳議員は、名張市病院の経営状況についても触れ、特別な年だった昨年度の決算結果を指摘した。市立病院副院長、田中浩之氏は、経済の影響で患者数が減少した中でも、新型コロナウイルス対策の補助金獲得に尽力し、純利益2億3,700万円を計上したことを述べた。引き続き病院経営には不安が残ると強調した。
また、議員は中京銀行の名張支店撤退問題についても言及した。市立病院事務局長、吉岡昌行氏は、中京銀行との取引に影響が出る見込みだと説明した。市長は過去に融資を受けて再建した企業の経験を引き合いに出し、事業者の不安を理解していると述べた。
このように、名張市議会では、財政に関する課題が多岐にわたり議論された。補正予算案には、安定した市民サービスの提供に向けた取り組みが含まれているが、実際の財政運営は依然として厳しい状況だと言える。今後、議会や市民との対話を重ねながら、持続的な地域社会の実現に向けて努力が求められる。