令和6年3月定例議会が3月8日に開かれ、議員たちが一般質問を行った。特に足立淑絵議員の質問が注目された。
足立議員は、2025年には団塊の世代が75歳を迎えることや、医療体制の状況について触れ、市立病院の救急医療の受け入れ不能件数の増加を問題視した。特に救急搬送の件数が増加している一方で、名張市立病院の受入れ率が過去の91.2%から89.1%にまで低下している現状が報告されたと述べた。昨年は42回ベッド満床のために受入れを断り、他の医療機関への負担が増加している状況について市立病院副院長の吉岡昌行氏が回答した。
吉岡氏は、受入れ不能の根本原因がコロナ禍における看護師不足や重症患者の増加であると説明した。これには重症患者を受け入れ可能な集中治療室も関わっているとのこと。また、看護師の確保が重要な課題であり、名張市立病院は薄い人材で運営していることが強調された。病院の独法化が進む中、看護職の働きやすい環境を整えられるかが問われる。
また、来年度には地方独立行政法人化の予定があり、独立行政法人化による職員環境の改善が期待されているとのことだ。
最後に足立議員は、今後の高齢化に伴う救急医療の必要性と、それに適した支援策について市の具体的な計画を求めた。これに対し市立病院副院長は、名張市の医療従事者の確保とテクノロジーの活用を通じ、医療体制を強化していく意向を示した。
今回の定例議会は、名張市が抱える医療問題の深刻さを浮き彫りにするものであり、地域の医療機関が今後どのように人材と体制を整え、救急医療を充実させていくかが重要な課題となっている。