令和3年6月名張市議会第398回定例会が開催され、さまざまな議題が討議された。
市長の亀井利克氏は冒頭、議員への感謝を表明し、新型コロナウイルスの感染状況と市民生活への影響を強調した。最近では、県において適用されているまん延防止等重点措置の延長も発表された。県全体の感染者数は減少傾向にあるが、新たな変異株の発生も報告されており予断を許さないという意見が述べられた。新型コロナウイルスワクチン接種の進捗状況にも触れ、65歳以上の高齢者や教育関係者への接種を進めており、段階的に他の年代にも接種を行う旨が伝えられた。
また、議題として上がった中で最も注目されたのは、名張市ケアラー支援の推進に関する条例の制定案である。この条例は、地域社会全体でケアラーを支援するための基本的な事項を定めるもので、福祉子ども部長の森嶋和宏氏はその目的と意義を説明した。支援が必要な人々に寄り添う「伴走型支援」の重要性が強調され、独り親世帯への特別給付金の支給も進められているとのことだ。議員からの質疑に対して、低所得世帯を対象とした支援の概要が示され、具体的な支給状況についても答弁があった。
さらに、会議の中で専決処分された事件に関する承認や、名張市の個人情報保護に関する条例の改正案が審議された。専決処分については、市税条例の一部改正が報告され、財政も含めた施策が確認された。
名張市の令和3年度一般会計補正予算に関する議案も提出され、地域住民の支援ニーズに対応した体制の整備が議題とされた。特に、重層的支援体制を構築するための予算措置が行われる予定であり、具体的な施策について継続的に議論が行われることが期待されている。議長を務める常俊朋子氏は、これらの重要な案件について特別な理解をもって審議されることを求めた。
今回の定例会を通じ、名張市の行政が新型コロナウイルス対策から地域福祉の向上まで多岐にわたって取り組んでいる姿勢が確認された。議員たちの活発な質疑応答を通じて、地域に根差した細やかな支援体制の構築が求められていることが、再認識される場となった。