名張市の令和6年3月定例議会において、耐震改修の推進や避難所運営の実効性を高めるためのファーストミッションボックスの導入が議論された。
特に耐震改修については、名張市建築物耐震改修促進計画に基づき、木造住宅の耐震化が重要視されている。実際に名張市では、令和2年度の耐震化率は88.2%を記録し、令和7年度には90.4%への向上を目指す。
しかし、これまでの高知県の事例が示すように、単純な耐震化よりも、住宅の一部を改修する方法もあり、依然として多くの市民に耐震化の必要性を啓発し続けることが求められている。この取り組みは、命を守るための優先事項であると、多くの関係者が強調している。
また、避難所運営を円滑に進めるため、国崎信江氏の提案するファーストミッションボックスの導入も大きな話題となった。これは、初動対応の効率化を狙った仕組みで、非常時において誰でも迅速に避難所を運営できるようにするための道具である。この導入により、災害時に多様な人々が連携し、助け合う環境を作り出すことが期待されている。
さらに、男女共同参画の視点を取り入れた防災対策も議論された。特に避難所においての男女の役割分担を見直し、プライバシーの確保や安全の観点から、女性の声を反映させることが大切であるという意見があった。このため、避難所運営マニュアルへの改訂や、避難所での物資配布において女性への配慮が求められている。
名張市では今後、見守り台帳を整備し、災害時支援が必要な方々を把握することで、より適切な支援が可能になる。そして、単身世帯に対する終活支援が重要視されてきた。高齢化が進む中で、行政は市民に対し、身近な相談窓口を設け、助け合う準備を進める方針を示している。