名張市議会第394回定例会が令和2年9月1日に開会した。市長の亀井利克氏は、市民への感謝の気持ちを述べ、会議に臨む議員たちの協力を求めた。会議の冒頭、市は今年度の困難な気候や新型コロナウイルスに対する影響についても言及し、これらの続く問題に対し注意を呼びかけた。この定例会での主要な議案として、財産の取得、および給与関連の条例改正が取り上げられた。特に議案第60号及び議案第61号では、それぞれ化学消防ポンプ自動車やタブレット端末の取得が提案され、議会での質疑も行われた。
議案第60号に関しては、化学消防ポンプ自動車を取得するための予算案が6,369万円であることが示された。消防長の中野博明氏は、車両についての選択理由や、消防業務における重要性を強調した。議案第61号のタブレット端末に関しては、教育次長の手島左千夫氏が、その導入が児童・生徒のIT教育を推進することにつながると述べ、利便性を強調した。
また、議案第62号から第67号にかけて、様々な補正予算案が提示され、新型コロナウイルスに対する支援や教育関連の経費の増加が見込まれた。この中には、全世帯型プレミアム付商品券や、児童福祉のための経費が含まれており、市長はこれらの施策が経済活性化につながると期待を寄せた。
さらに、令和元年度の各特別会計の歳入歳出決算が承認され、監査委員からはその計数が正確であると報告された。特に、実質収支が黒字であったことは評価されたものの、一方で病院事業会計では資金不足が生じているなど、厳しい状況も報告された。市長は、この問題の改善に向けてしっかりとした対策を講じなければならないと認識を示した。
最後に、議員が提出した「性の多様性を認め合うまち・なばり」宣言に関する決議については、議員の吉住美智子氏から意義が説明され、議会は一致してこれを可決した。今後、名張市としてより包括的で多様な社会を目指す姿勢が歓迎されている。