令和5年9月15日に開催された名張市議会定例会では、令和4年度の名張市一般会計及び各特別会計の歳入歳出決算についての審査が行われた。
会議の中で、注目の的は令和4年度名張市一般会計の決算認定であった。
決算審査では、執行部から報告された令和4年度の実質収支が約5億3,600万円の黒字であることが強調された。また、財政調整基金も約18億9,388万円に達し、前年から大きく増加したことが示された。これは、いかなる厳しい状況を克服し、市民の信頼を得ていることを示す重要な指標となっていると評価されている。
市長の北川裕之氏は、コロナ禍からの回復の中で、都市振興税の延長が重要な要素であったと述べつつ、今後の財政運営においても、その貴重な財源を適切に活用しなければならないと発言した。
一方で、名張市立病院の医業収益についても質疑があり、特に医業収支が赤字であることが指摘された。令和4年度の病院事業会計では、医業損失が約8億9,700万円に上っており、その背景にはコロナ関連の影響に加えて、費用の増大があると分析されている。一連の休業やクラスターの発生が、病院の経営状況に暗い影を落としたことは否めないが、地域医療の拡充や医療機関との連携がこれからの鍵であるとされている。
決算審査において、議員たちからは病院の経営形態の見直しの必要性や、地域医療を守るための施策を求める意見が相次いだ。特に、名張市立病院が長期的に存続し、市民に信頼される医療機関であり続けるためには、経営改善と同時に地域医療体制の強化が不可欠です。
議長の細矢一宏は、決算認定後に設置される決算特別委員会の重要性を強調し、今後の審査に期待を寄せていた。議会の結論としては、議案第27号から36号までの10議案については、決算特別委員会に審査を付託することが決定された。地域住民の健康を支えるため、名張市はさらなる取り組みを求められている。