令和3年第399回名張市議会定例会が、9月7日に開かれた。議題は、一般質問を中心に、財政や福祉の現状、地域経済の活性化について多岐にわたる内容が話し合われた。
特に山下登議員は、名張市が直面する財政の厳しさを強調した。彼は、名張市は2002年から続く財政非常事態宣言下にあり、改善の兆しが見えない現状を指摘した。具体的には「入るを量りて出ずるをなす」とし、収入に見合った支出計画が欠如していると訴えた。さらに、名張市の歳入が他市と比較して低いことを挙げ、地域の活性化に向けた政策の見直しを求めた。特に、産業振興において、市外からの収入を増やす施策について説明を求めた。
また、福祉についても言及し、孤独・孤立対策が具体化されていない現状に懸念を表した。特に、高齢者の単身世帯への特別なサポートを求め、地域での見守り体制の強化が必要であると訴えた。市長は、これらの意見に対して、地域福祉の整備に取り組む姿勢を示した。
さらに、山下議員は障害者福祉についても言及した。地域内での障害者支援体制の状況を詳細に尋ね、障害者が社会で自立するための働きかけが求められるべきであるとした。市長もそれに応じ、障害者の職業支援について具体的な施策を進める考えを示した。
この日の議会では、誰もが抱える財政の厳しさや福祉の充実を求める声が上がる中、市行政がどのように対応していくのか、注目されている。市民の意識も高まりつつあり、今後の行政の動向が期待される。特に山下議員の建議は、名張市の未来を考える上で重要な示唆を与えるものであり、これからの施策にどれほど反映されるかに関心が寄せられる。