令和3年6月16日、名張市議会は第398回定例会の中で、重要な課題について討論を行った。
主な焦点は、ワクチン接種の進捗状況に関するものであり、坂本直司議員が一般質問を行った。新型コロナウイルス感染症の影響で、ワクチン接種が急務であると訴えた。市長の亀井利克氏は、65歳以上の高齢者及び医療従事者の接種が進んでいることを説明した。現状として、65歳以上の対象者約2万6,400人のうち、6月14日時点での接種完了者は9,469人に達し、約35%がワクチン接種を済ませているという。また、集団接種への予約変更が可能であるとのこと。このように迅速に接種を進めることに対して、市は努力している。
しかしながら、高齢者の運動機能の衰えや他の健康問題にも目を向ける必要がある。坂本議員は、
「あくまでワクチン接種が全ての解決策ではない」と警鐘を鳴らし、今後の課題についても触れた。高齢者が安定して歩いて暮らせるまちづくりが求められている。
次に水道料金の未納問題が提起された。水道料金の滞納による給水停止が進む中、上下水道部は支援の手を差し伸べる必要があるとの意見が集まった。市民が困窮している現状を踏まえ、給水停止前に市からの積極的な声かけが求められる。具体的には、給水停止前に問題を察知し、そのための手続きを促すことが求められている。
名張市立病院の役割も重要視されており、感染症対策としての医療提供が求められている。市長も、自治体病院としての役割を果たし、市民の健康を守るために尽力することを表明。これに関連して、医療従事者への適切なワクチン接種が必要であるとも述べた。特に、自費として行われるPCR検査に関しても、費用が高額であることが問題視されており、市民がより手軽に検査を受けられる環境が必要である。
また、学校施設の整備が劣後している現状についても言及があった。名張市における学校設備の老朽化、特にトイレ問題は長年の懸案である。教育現場においても、衛生環境の向上が急務とされており、早急な対応が望まれる。これには、既存の施設の改修計画を具体化し、必要な予算を確保することが必要である。
これらの論点は、名張市が今後取り組むべき挑戦を示しており、行政が市民のニーズに応えていく努力が要求されている。各職責が連携を強化し、目の前の課題へ真摯に取り組むこと、そして、透明な情報提供を行いながら市民との信頼関係を築いていくことが喫緊の課題であるといえる。