令和元年6月、伊勢市議会で定例会が開催され、様々な議案が審議され、可決された。特に注目されたのは、「議案第8号 令和元年度伊勢市一般会計補正予算(第3号)」である。
この補正予算には、公共交通にかかる交通対策推進事業に4,000万円が計上されている。これに対し、議員の吉岡勝裕氏は、循環バスの運行データを示し、「社会実験運行期間の延長が必要である」との意見を述べた。また、「65歳以上の方や障がい者の運賃が無料であるため、不正利用のリスクを懸念する」と指摘し、対策を求める声も上がった。これに対し、各委員会からの報告もあり、最終的に原案は全会一致で可決された。
次に議題に上がったのが「議案第9号」外8件の一括審議である。この中には、選挙公報の発行に関する条例の一部改正も含まれており、選挙制度における透明性向上が求められている。総務政策委員会からの報告もあり、全件原案通り可決された。
さらに「議案第28号 神薗11-1号線道路整備工事の請負契約」が審議された。市長の鈴木健一氏がこの件について詳細な説明を行い、契約金額は3億5,300万円と報告された。この整備工事は令和2年10月30日の完了を予定しており、地域の交通基盤の有効性を高めるものと期待されている。
また、議題には新市立伊勢総合病院に関する決議が含まれ、雨漏り問題に関して不満の声が示された。野崎隆太議員は、「この問題における当局の対応は遅れがみられ、信頼を損なう状態である」と警鐘を鳴らした。
このように、伊勢市議会の定例会では、観光、教育、交通、環境など、広範な議題が取り上げられ、議員たちは市民の意見をもとに真剣に議論を重ね、原案の可決に至った。