伊勢市の令和元年9月定例会では、地域防災士の育成や活用が重要な議題に上った。議員北村勝氏は、台風15号の影響を受けた地域の安全対策の必要性を強調した。
防災士148名の登録状況が報告され、伊勢市の災害対策の一環として地域防災の啓発活動が進められていることが明らかになった。市長鈴木健一氏は、防災士の活動は地域協力を強化し、災害被害の軽減につながると述べた。
次に、2020年からの新学習指導要領の実施についても議論された。議員北村氏は、教育現場での防災士の活用を提案し、防災教育の重要性を強調した。教育長北村陽氏は、その取り組みについて説明を行い、自校での防災教育の実施状況を報告した。新学習指導要領が期待する資質と能力を育むためには、地域との連携が不可欠であると強調した。
農業振興施策と耕作放棄地の問題も議題となった。農業就業人口の減少が問題視され、行政としての取り組みの必要性が指摘された。市は新規就農者を支援する独自プログラムを実施し、農業の担い手育成を目指している。市長は、農業法人の数が増加している現状に対して、さらに支援の必要性を認識していると述べた。
また、がん治療とその後の社会参加に向けた支援策も話題に上った。議員の辻孝記氏は、脱毛治療を受けたがん患者に対するウィッグ購入補助について質問し、市長は他市の事例を参考に研究を進める考えを表明した。さらに、公共建築物における木材利用の促進についても、自然環境への配慮と経済効果を考慮した取り組みの必要性が確認された。
合併後14年が経過した伊勢市において、新たな行財政改革が求められる。議員野崎隆太氏が指摘するように、公共施設マネジメントの推進と地域の特性を活かした施策が求められる中、市は今後も地域との連携を強化し、住民の期待に応えた市政運営を目指す必要がある。