令和元年12月9日に開かれた伊勢市議会定例会では、いくつかの重要な議題が取り上げられた。
特に注目されるのは、伊勢市美術展覧会における一部作品が不展示となった件である。これは、あいちトリエンナーレにおける表現の自由に関する問題を受けての判断とされており、公の場で再び表現の不自由が取り沙汰されることとなった。議員は今回の判断がもたらす影響を懸念している。
中山裕司議員は、当該作品について行政が展示しなかった理由を質疑し、市長の鈴木健一氏は市民の安全を最優先にした判断であると述べた。作品は恐れられていた脅迫の影響を考慮してのものであり、明確なハラスメント行為は無かったが、問題がないとは言えない状況であったと強調した。
一方で、楠木宏彦議員は、おばたまつりなどの事例を引き合いに、市が廃止した事業に対して補助金が支出されることが果たして正しいのか、議会軽視になっていないかとの疑念を表明した。市の財政状況にも配慮しつつ、地域の活性化が図れるような対策を求めた。
また、まちづくり協議会についても議論が行われた。10年以上続く協議会で役員が固定化している方もいるとの指摘があり、透明な運営が求められる中で市がもっと介入すべきだとの意見が多かった。市側は現状では変更の強制は考えていないとの立場を維持しつつ、今後その取り組み方をさらに検討するとした。
また、元気なまちづくり協働事業補助金に関しても、各地域での多様な活動事例が挙げられ、その中には補助金の給付が多様化し、適切に管理されるべきではないかとの懸念が示された。
全体を通じて、市が抱える表現の自由への対応や、地域振興に向けた公金の使用が今後ますます重要になってくるとの指摘が相次ぎ、さらなる確認や見直しが必要だとの意見が集約された。