令和5年9月1日、薩摩川内市議会の定例会が開かれ、重要なテーマが取り上げられた。この定例会では、肥薩おれんじ鉄道の経営支援や、産業人材確保の取り組み、公共料金の未納金問題などが焦点となった。
まず、肥薩おれんじ鉄道の存続について、田中良二市長は、その重要性を改めて強調した。「肥薩おれんじ鉄道は、住民の日常生活や観光振興において不可欠な交通基盤であり、みなさまの生活に大きな影響を与えています」と述べ、存続への強い意志を示した。特に、市内の中高生の通学手段としての役割は大きく、周辺自治体との連携が重要であるとした。
次に、経営支援の現状が議論された。市が行っている支援策について市職員が細かく説明し、「過去10年間で約7,000万円の支援を行っており、令和4年度の支援額は約1,100万円」と明かした。さらに、鹿児島県が最大7億1,900万円の助成金を求めている現状も説明され、今後の支援の方向性についても協議が進む必要があるとされた。
また、将来的には、万一廃線となった場合の代替交通手段も議論に上がった。交通手段としては、バスに移行することが考えられるが、「現在の運転手不足や他自治体との連携が重要」との見解が示された。特に高校生対象の通学手段に関する配慮が求められ、代替手段の具体策が検討されることとなった。
公共料金の徴収状況についても触れられた。水道料金の未納金の総額は、現年度分で約120万円、過年度分で約6,486万円と報告された。「未納金は徐々に減少傾向にあり、対策としてコンビニ収納やキャッシュレス対応を検討している」とのこと。市民に対する公平性の観点から、徴収業務の強化が必要であるとされた。未納者への分納制度の導入も進められており、市も「早急な対応を図っていく」との意向が示された。
また、薩摩川内市の市営住宅についても質問があがり、家賃未納金の問題が取り上げられた。令和4年度の未収金状況について、約120万円の未収金があることが示された。市長は「債務保証法人の導入により、未収金の割合は減少傾向にある」とし、今後も市民が住みやすい住居環境作りに取り組んでいく姿勢を示した。
市民との対話に関する取り組みについても重要視され、市長は「定期的に市民の意見を聞く場を設け、施策に反映させるよう努める」と強調した。市が進める広聴活動が今後の多様な意見を受け入れる重要な基盤となっていくことが期待される。