令和6年第1回薩摩川内市議会定例会で、学校給食費の無償化を求める陳情が不採択となった。
この陳情に対する多数の署名が寄せられ、議会内でも賛成の声が上がった。しかし、委員会からは財源確保の困難さが指摘され、討論を経て、賛成の少数により不採択が決定した。
陳情を提案した井上勝博議員は、物価上昇により多くの保護者が経済的な困難に直面していると強調した。「給食も教育の一環であり、義務教育を無償にする考えは憲法26条に基づくものである」と主張した。
それに対し、反対意見では、「無償化には約4億円の財源が必要で、現在の経済状況では厳しい」と指摘された。委員会報告においても、給食費無償化の実施には、市の政策全体の見直しや、継続的な財源の確保が必須とされている。
さらに、同日の会議では、重度心身障害者医療費助成の条例改正案が可決され、対象者拡大が図られることとなった。ただし、収入制限が導入されるため、既存の受益者の影響について懸念が示された。
また、令和6年度の各種予算案も相次いで可決され、特に国保特別会計予算については、保険証廃止の動きが波紋を呼んでいる。
市長の田中良二氏は、本定例会の閉会挨拶で、続く新年度の展望として、安全な市政執行を約束し、市民への協力を呼びかけた。今後、市議会は、昨年の観光船火災事件を受けた安全対策や、地域経済の振興に期待がかかる。