令和6年6月27日、薩摩川内市議会において開催された定例会では、重要な議題が提出され、特に補聴器購入に関する支援制度についての質疑が注目された。坂口正幸議員は、補聴器購入に伴う給付の申請状況を問うた。保健福祉部長の小柳津賢一氏によると、昨年度の申請件数は37件であったことが報告された。
坂口議員は、補聴器の価格が幅広いことから、特に高額機器の購入支援が求められるのではないかとコメント。小柳津部長は、その支援制度について次のように説明した。補聴器を必要とし、かつ、身体障害者手帳を持つ方には補装具費支給制度が適用され、1割負担で支給される仕組みがあるという。
続けて坂口議員は、耳鼻咽喉科での補聴器相談医や医療費控除制度について質問を重ねた。小柳津部長は、市内に補聴器相談医が4名おり、身体障害者指定医師も5名いると明らかにした。これを受け、議員は補聴器購入のための医療費控除制度の利用状況についてさらに詳細を求めたが、具体的なデータは提供できなかった。福祉部長は、利用者の利便性を考慮しつつ、支援内容を今後調査し、改善に努める旨の考えを示した。
次に、熱中症対策に関連する質疑が行われ、坂口議員は市が雇用している作業者の安全管理や具体的な対策、支給品について質問した。建設部長の樋口武士氏は、市が雇用する作業者へヘルメットや安全ベストを提供していること、安全対策の啓発を行っていることを報告。特に熱中症による昨年度の緊急搬送件数が増加したことへの危機感をもっているとの見解を述べた。
また、議会では防災行政無線システムの更新に関連する議案も取り上げられ、一般質問においてもその重要性が強調された。新たなシステムにより、より早く、安全な情報提供ができるという期待が寄せられている。
さらに、議題に上がったのは少子化問題であった。特に、女性の出生数の減少が課題として挙げられた。未来政策部長の古川英利氏は、過去の議論を踏まえ、子育て支援の重要性を改めて確認。この失われた人口を取り戻すために何ができるのかを意識し、さまざまな施策を進める必要があると述べた。
そして、特に流山市の成功事例が認識され、参考にすべき施策の一つとして取り上げられた。流山市が進める子育て支援や保育施設の拡充といった事例に、本市にも適用できる施策の検討の必要が強調された。
最後に、鎧兜を観光資源として利用する施策についても説明があった。経済シティセールス部長の有馬眞二郎氏は、甲冑工房との連携を深め、体験型旅行商品など新たな観光施策について進める意向を示した。これにより、地域振興や観光客誘致が期待される。
このように、今日の議会では、市民の生活に密接に関わる重要な課題が多岐にわたって議論され、市としての具体的な対応策や今後の方針が整理された。