薩摩川内市議会の令和2年第3回定例会が進行中だ。議員たちは、新型コロナウイルスや少人数学級、豪雨災害等の重要課題について激論を交わしている。
特に新型コロナウイルスに関する問題が多数取り上げられた。井上 勝博議員は、県内の感染者数が増加している現状に対し、医療体制の整備状況を質した。医療福祉対策監の平原 一洋氏は、「現在、確保されている入院患者の受入れ病床数は253床、宿泊施設での軽症者対応も370室可能です」と答えつつも、最悪の事態への備えの重要性を強調した。井上議員はさらに、無症状の感染者を把握するためのPCR検査拡充を求めた。
次に、少人数学級についても議論が行われた。井上議員は、学級の密を避けるため、今後の教育体制がどうあるべきかを質問した。教育部長の上大迫 修氏は、ソーシャルディスタンスが確保されているとしつつ、教室の狭さに懸念を表明した。彼は、今後、少人数学級への移行が重要であることを認識していると述べた。
豪雨災害に関する議論もさまざまな問題点を浮き彫りにした。特に、危機管理監の佐多 孝一氏は、「今回の豪雨による人命被害がなく、ほぼ全員が無事だった」とする一方で、「水位周知河川にしなければならないと考えている」と述べ、さらなる安全対策が必要であると強調した。利用者からの情報伝達の強化が要請され、地域住民の防災意識を高める必要性も指摘された。
農業問題も無視できない課題だ。市長の岩切 秀雄氏は森林環境の崩壊や、害獣被害、高齢化の影響を挙げ、「早急な対応が求められます」と語った。それを受け、農林水産部長の中山 信吾氏は、スマート農業の実証実験の成果を報告し、地域農業活性化への展望を示した。
最後に、川内港の振興についても言及があった。市長は、「川内港を国際物流の拠点化するため、国や県との連携を強化する必要があります」と力強く語った。これらの施策は人口減少に対する抜本的な対策として、未来を見据えた戦略であることが議員達の一致した認識であった。また、道路網や港の開発を強化することは、市民の生活の質を向上させる上でも重要とした。
実のある議論が交わされたこの会議では、議員の立場から政府への要請が行われるなど、薩摩川内市の未来を見据えた様々な政策が議論された。