令和5年12月8日、薩摩川内市議会において令和5年第5回定例会が開催された。
この日の議題には、奨学金返還支援や移住定住戦略基金等、地域の未来に関わる重要な議案が20項目以上上程され、各議員による質疑が行われた。特に溝上一樹議員は、上甑地域における歯科診療の改善や、空家対策に関する質疑を通じて市民の不安を示し、それに対する市の取り組みを厳しく問う場面があった。溝上議員は、地域住民からの声を拾い上げ、具体的な改善策を求めた。これに対し医療対策監の古里洋一郎氏は、歯科診療所のスタッフ体制の見直しや、予約管理の改善を紹介し、地域医療の充実に向けた努力を強調した。
また、空家対策についても議論が交わされ、建設部長の城之下誠氏は、空家バンク制度の創設や危険空家に対する解体支援事業の進捗を説明した。上甑島に多く存在する空家の利用促進が地域活性化に繋がるとの見解が示された。
議案の中には、地域の歴史を守るための文学館の管理者指定や、国民健康保険の質向上を図る改正も含まれており、いずれも市民生活に直接的な影響を与える重要なものである。これに対し、議員からの的確な質問が相次ぎ、市の取り組みを厳しく監視する姿勢が見受けられた。
最後に、川添公貴議員が、不登校児童の減少に向けた具体的な施策を求めたことが印象に残る。教育長の藤田芳昭氏は、学校環境の改善や教職員の負担軽減に対する施策を強調したが、現場での課題を解消するためにはさらなる支援が必要であるとの認識が議会全体で共有された。