令和5年12月5日、花巻市議会が開催された。この会議では地域農業における高温障害の影響や、集落営農組織の現状について多くの議論が交わされた。
令和5年産米の概算金は、前年より高めの金額が発表されたが、高温による白未熟粒や胴割れが影響し、1等米の比率が減少する懸念がある。
小原保信議員は、特に大迫地域での1等米比率が44%にとどまり、農家の収入減少に繋がる恐れがあると指摘し、市の支援策を求めた。その一方で、花巻市全体では92%の1等米比率が維持されていることから、地域の特性を踏まえた支援が必要との意見が強調された。
市では、農業者へ収入保険への加入を推奨しており、更なる支援策は今後の被害状況を見ながら検討する意向を明らかにした。特に、胴割れや白未熟粒に対する具体的な支援策は議論が重視される。
さらに、集落営農組織については、高齢化が進み、担い手不足が深刻な課題となっていることが報告された。市は新たな担い手育成に向けて、新規就農者育成やスマート農業の導入促進に取り組んでいる。特に、若い世代の農業への関心を高めるための施策が重要視され、地域間で協力し、農業のスリム化を目指していく必要性が語られた。
都市計画に関する議題も討議され、(仮称)花南産業団地の用途地域を工業地域へと変更し、容積率を高めることが求められている。これにより企業の進出を促進し、地域経済の活性化を図る意向が示された。特に、近隣商業地域の見直しも必要との意見があり、企業進出に関しては周辺住民の意見も反映しつつ慎重な議論が必要であるとされている。市長は、企業の魅力を引き付けるための施策が引き続き重要であるとの見解を示した。
全般にわたって農業と地域振興に関する具体的な支援策の必要性が感じられる会議となり、今後も花巻市民の生活向上に寄与する施策が期待されている。