令和元年第4回帯広市議会定例会が開催され、重要な決算認定案件が審査される中、厳しい社会状況や財政の課題が浮き彫りとなった。
今回の定例会では、平成30年度の一般会計歳入歳出決算認定が中心の議題となり、さまざまな委員から質疑が繰り広げられた。特に、稲葉典昭議員からは、アベノミクスに関する批判がなされ、「市民の格差と貧困を広げ、その是正を求められている」と強調した。彼はまた、生活保護の引き下げや市民の生活苦を直視すべきだと訴え、その影響が消費性向を低下させているとの調査結果を示した。
一方で、西本嘉伸議員は、平成30年度の決算状況を評価し、「歳入は817億5000万円、歳出は808億9000万円と、黒字であった」と報告した。市の財政運営は、課題が多いものの、「慢性的な借金問題を抱える中でも、努力が見られる」としつつ、今後の財政計画の重要性を語った。これに対し、各議員からは公共安全や福祉の観点から、さらなる施策が求められている。
また、決算特別委員会報告においては、各会計の歳入歳出決算が吟味された。特に、一般会計における減収要因として、国の経済対策終了による国・道支出金の減少が挙げられ、その結果として自主財源比率は45.4%に留まった。これに関し、池原佳一政策推進部長は、新たな施策で自主財源の確保を進めていく考えを示した。
さらに、議案審議の中で、市長の提案により新たに設置される「市民福祉部」に対する期待が寄せられた。米沢則寿市長は、保健福祉施策を統合して効率化を図る意向を語り、関係部門の連携強化が重要であると述べた。
その他にも、教育面での施策や環境保全に関する発言が相次ぎ、全体的には市民生活を支える施策の充実が求められた。特に、移住促進や高齢者福祉など、住みよい街づくりに向けた視点が強調される場面が目立った。