令和5年第1回3月定例会では、帯広市の財政面と政策について重要な議論が交わされた。この会議において特に注目を集めたのは、一般会計補正予算と新年度の市政執行方針である。市長の米沢則寿氏は、地域資源を最大限に活用し、市民の生活を支える施策に力を入れる方向性を示した。具体的な施策としては、フードバレーとかちの構想を通じて、食と農、地域経済の相互プロモーションを進めることを強調した。
会議では、まず議員から提出された質疑が行われ、特に保育所の待機児童問題が取り上げられた。大塚徹議員は、現在の待機児童数が200名を超えている現状を踏まえ、市長に早急な解消策を求めた。市長は民間運営法人との連携を進め、保育枠拡大に取り組む意向を示した。
次に、高齢者向けの地域包括ケアの強化が議論され、特に生活困窮者支援についての具体策が求められた。米沢市長は、高齢者が自立した生活を送るための施策として、介護予防事業や専門職連携の充実を約束した。また、認知症施策の推進についても言及し、新たな支援体制の構築を図る方針であるとした。
さらに、農業振興に関する質疑では、近年の農家の厳しい営農環境を考慮した支援策が求められた。米沢市長は、持続可能な地域農業の確立に向けた施策を強化していることを説明し、作業の省力化に向けた技術導入の支援に言及した。
中心市街地の活性化についても熱心な議論が行われ、藤丸の閉店に対する懸念が多くの議員から表明された。市長は、地域を支える小売業の重要性を認識しており、新会社の設立に伴う支援について前向きな姿勢を示した。その一環として、国や道の補助制度を検討する方針であるとした。
この会議を通じ、米沢市長は市民が安心して生活できる環境の整備を進め、特に新型コロナウイルスからの復興と、物価高を踏まえた支援策の重要性を理解しているとし、各施策を地域に根ざしたものとして進めていくと強調した。
市民の生活に根差した政策を進めることで、帯広市のさらなる発展が期待されている。