令和3年11月25日、北見市議会において臨時会が開催された。
会議では市職員の不祥事について重要な報告が行われた。
市長の辻直孝氏は、元職員による詐欺事件について深い自責の念を持って説明を行った。この事件は、26歳の元職員が市税の徴収事務において不正を働き、被害額は72万244円にのぼるというものであった。市長は、「市政への信用を損なう結果となり、誠に申し訳ございません」と、薄い言葉ではあるが謝罪した。また、元職員に対しては全額求償する手続きを進める意向を示した。市長は市民への信頼回復に向け、全職員での取り組みを誓うとともに、不祥事の再発防止に努める必要性を強調した。
菊池豪一議員は、「今回の不正は、金銭を扱う職員の育成に問題があった」と指摘し、納税課内での業務の運用改善を求めた。特に金銭を扱う組織においては、コンプライアンス意識の徹底が先決であると強調した。更には、元職員が勤務していた約2年4ヶ月の間に、内部の業務運営に問題がなかったかと問いかけが行われた。
同議員は、差押え業務や金銭取扱いの構造的問題が指摘される一方で、業務が日常化した結果として、市民への通知が適切に行われなかった点に疑問を呈した。これに対し、総務部長の我妻学氏は、「通常の事務の流れでは差押えの際に通知を行うが、詐欺に関与した職員の行為によりそれが行われなかった」と説明した。
また、今後の職場環境についても再質問があり、具体的な改善策と研修内容の充実を求められた。市長は、「今回の事件を教訓に、全職員が安心して業務を遂行できる環境作りに全力を挙げていきたい」と述べ、研修の強化を図る方針を示した。
会議では質疑の後、議案の投票が行われ、いずれも原案通り可決された。今後、市の職務に対する信頼回復が求められている。