令和3年9月8日に行われた北斗市の定例会では、公共交通の利便性向上や市民サービス向上に向けた重要な議題が討議された。特に、巡回ワゴン運行の実施についての一般質問が注目を集めた。
前田治議員は、地域公共交通計画に基づく巡回ワゴン運行に関して質問。市長は、交通弱者への配慮から実証運行を行うと述べ、実運行は10月から開始することを明言した。市長は「この運行が成功することで、より多くの市民が交通の便を享受できるようになる」と指摘した。
一方、前田議員は運行ルートのカバー率について懸念を示し、特に駅やバス停から遠い住民の移動手段が依然として不十分であることを指摘した。市長は市民の意見を反映させながら運行計画を進めていく考えを示した。さらに、現在行われているアンケート調査を基に、巡回ワゴンの運行がどの程度のニーズに応えられるかを把握し、必要に応じて運行計画を見直すと強調した。
また、七重浜地区の入浴施設の休業が問題視され、地元住民からの戸惑いの声が上がった。市長は、入浴施設の再開に向けた具体的な支援策は現時点で考えていないものの、将来的には新たに営業する施設の情報提供に努めると述べた。
さらに、北海道新幹線トンネル工事に伴う環境問題が取り上げられた。前田議員は掘削発生土のセレン濃度超過について質問し、対応策の進捗状況を問うた。市長は、対策土の搬入を止め、環境基準を超えた問題を十分に把握する必要があると答えた。
今回の定例会では、公共交通の利便性や地域社会の生活環境改善に向けた取り組みが強調され、市民のニーズを反映した施策の必要性が再認識された。市民が安心して暮らせる環境を整備するために、今後も具体的な対応策が求められる。