日高町の議会は、令和6年3月の会議で有害鳥獣駆除対策や地域包括ケアシステムの進展に関する議論を交わした。特に注目されるのは、エゾシカによる農業被害や交通事故の問題である。議員たちは、全道で鳥獣による被害が増加している事実に危機感を持っている。具体的には、令和4年度のエゾシカによる交通事故件数が159件、そのうち日高町が60件と最も多かったことを挙げた。この現状に対し、各議員は電気柵などの有効な防止策を求め、町の対策強化を訴えた。
さらに、人工透析患者に関する議題では、透析希望者が増加していく中で、病院の受け入れ体制の見直しと新たな医療機関との連携の必要性が叫ばれた。病院事務長は、現在の受け入れ体制について説明し、既存の体制での最大効率化に取り組んでいるとのことだ。しかし、待機者の人数が増えているため、さらなる拡大が望まれる。議員たちは、患者の送迎や医療機関との連携を強化し、地域の高齢者が安心して暮らせるような体制の構築を推進する必要性を強調した。
最後に、空き家対策についての議論も行われた。町内での空き家が増加する中、町ではこれまでの調査に基づく情報を元に対策を立てる必要があるとする議員の意見が飛び出した。特に空き家の有効活用やバンク制度の導入が話題に上がったが、実施の予定は現時点ではない。議員たちは、情報の集約や施策の連携を町が意識する重要性を訴えた。