令和3年9月に開催された渋川市議会定例会では、持続可能な渋川モデルに関する様々な取り組みが議論された。具体的には、ゴミ減量化の施策やひとり親家庭への支援、教育格差の是正が重要な課題として浮上した。
はじめに、ゴミ減量化について、安カ川信之議員は「渋川市において、食品ロスの削減に向けた条例が本年4月に施行されたことについて、市がどのような施策を講じているのか」と尋ねた。これに対し、市民環境部長の真下彰文氏は「再資源化のための分別収集に加え、市民への支援措置を講じている。特に電動式生ごみ処理機の助成は昨年度の2倍に増加している。新たな施策として生ごみを廃棄しない家庭に対し無償で専用のごみ袋を配布する取り組みも始まった」と述べ、今後も市民意識の向上に向けてより一層の取り組みが重要であるとした。
次に、ひとり親家庭の支援に関して、福祉部長の酒井幸江氏は「独り親世帯の経済的支援について、市として児童扶養手当が472人に支給されているが、米が殊に増加して困難を抱えている世帯も存在する。このことを踏まえた上で、支援策の充実に努めている」と説明した。また、コロナ禍の影響で進学などの経済的制約が増加していることも指摘された。
教育格差についての議論も行われた。コロナ禍で学びが保障されているかという懸念が示され、教育部長の島田志野氏は「学校運営の体制を今後どうするかが重要である。特に、GIGAスクール構想によるICT教育は、子どもたちの学びをサポートする重要な施策であり、一人ひとりの学びを全うするために引き続き取り組む必要がある」と強調した。
また、デジタル化の推進について、田中総合政策部長は「市では、業務のデジタル化を図るために、RPAやAI-OCRを導入して業務の効率化を進めている。これまでの業務の短縮やミスを減少させる効果が報告されている」と述べた。
さらに、市はネット上での誹謗中傷に対する支援や相談窓口の設置についても取り組むことが必要との意見が出された。市長の髙木勉氏は「ネットの誹謗中傷は社会問題であり、市としても対応窓口を設ける必要がある」と発言し、条例化の方針を明らかにした。この一連の議論には、市民の声やニーズを踏まえた施策の展開が必要であるとの共通認識が形成された。具体的な施策の進捗状況に注目が集まる中、持続可能な社会を形成するための取り組みとして、これからのアクションが期待されている。