令和2年12月3日、渋川市議会定例会が開催され、一般質問が行われた。議会では市の財政見通しや地域の医療機関の経営改善についての多くの議論が交わされ、特に新型コロナウイルス感染症の影響が指摘された。
市の財政見通しについて、田中猛夫議員は新型コロナウイルスの影響で税収が減少し続けていることを懸念し、来年度以降も10億円程度の減収が見込まれると説明した。総務部長の都丸勝行氏は、税収の減少が長期的に続く可能性が高いと述べ、過去のデータをもとに慎重に見通しを立てる必要性について強調した。
また、国保あかぎ診療所の経営改善についても質問が上がり、地域医療の充実が求められた。市長の髙木勉氏は、医療機関の運営に関しては縦割りではなく横割りでのアプローチが重要であると強調し、経営改革の実効性を上げるための体制を整える考えを示した。
次に、渋川市の業務継続計画については、田中猛夫議員が新型コロナウイルス感染症に対応するための職員体制を問うた。危機管理監の平澤和弘氏は、極端な欠勤が生じても業務が継続できるよう、必要な職員数は約370名と設定していると説明した。
その後、議会では地域の空き家対策についても意見が交わされた。住民からの要望では、空き家を地域資源としてリフォームし若者へ貸出する支援制度を提案した。市長は「地域の大工と連携し、空き家の利活用を進める方針を検討する」と述べ、実行に向けた前向きな姿勢を示した。
そして、結婚に関連する施策についても言及があり、結婚披露宴の費用への補助制度についての質問に対し、市長は「慎重に検討を進める必要がある」と述べた。特に新型コロナウイルス感染症の影響により結婚式が行いづらくなっていることを踏まえ、さらなる支援策が期待される。
市内における教育環境の再編に関する議論も同様に重要視された。教育長の中沢守氏は、再編に際しては地域の合意形成が必要であるとし、現状の学校規模についても言及した。特に、小中一貫校化については教育の質を高める可能性があるとの考えを示した。
最後に、サテライトオフィスやワーケーションについても、多くの関心が集まり、新しい生活様式の中での地域振興への取り組みが謳われた。市長は、移住希望者向けの支援制度やテレワーク環境の整備を進める重要性を訴えた。
会議は、現在の厳しい状況を背景に、地域社会の活性化や市民の生活支援についてさまざまな提案が重ねられ、市の対策が期待される形での締めくくりとなった。