渋川市議会の定例会は令和5年12月4日に開催され、田村なつ江議員が市民の安心安全な暮らしをテーマに4点の一般質問を行った。特に注目すべきはカワウの被害対策についての発言である。
今回の定例会では問題視されているカワウによる被害に対して、田村なつ江議員は具体的な対策案の提示を求めた。議員は、先月28日に群馬県から発令されたインフルエンザ警報に触れつつ、地域住民の生活環境を守るための対策を強調した。市民環境部長の田中良氏は、東京電力及び県鳥獣被害対策支援センターとの連携により、カワウの繁殖抑制を行っていることを説明した。また、捕獲奨励金制度についても触れ、今後の具体的な協議と住民への対応について意欲を示した。
続いて、認知症対策に関する議論が展開された。田村議員は、渋川市が早期に制定した認知症条例の概要を紹介し、それに基づいた市の施策の具体化を再確認した。この政策にあたる福祉部長の山田由里氏は、市内における認知症高齢者の最新の数値を示し、予防策や支援体制の強化について説明した。特に、介護予防のための集まりの充実が重要であると強調され、今後の取り組みに期待が寄せられた。
また、農業者支援に関する質問では、田村議員は新規就農者の支援の必要性を指摘し、多くの高齢者が新たに農業に従事している現状を踏まえた支援策の構築が求められた。産業観光部長の金井裕昭氏は、市独自の補助制度を紹介し、新たな農業者支援策の検討を進める考えを示した。この姿勢に伴い、地域の農業を支えるために必要な政策についての具体的な意見交換が必要であるとの見解が表明された。
最後に、地域コミュニティと住民の利便性向上について、田村議員は自治会の加入率の低下とその対策の重要性を指摘した。市民環境部長の田中良氏は、自治会加入促進のためのキャンペーンや情報提供を行っている現状を説明し、地域住民との協力関係の重要性を強調した。
本定例会では、市民が直面している様々な問題に対し、議員が果敢に質問を投げかけ、具体的な対策が求められた。特に、カワウ被害対策や認知症施策が中心に置かれ、改善の道筋が見えつつあることが強調された。今後の施策に対する実行力と透明性が求められる。