令和5年第1回高山市議会において、議員たちが多岐にわたるテーマを取り上げ、地域課題の解決に向けた議論が交わされた。特に、都市と農村の連携、住民の福祉向上を図る施策が重要視されている。
最初に、森林整備推進について、農政部の東野敏朗部長が、中長期的な視点から市の森林を持続的に活用するための具体的な取組みを報告した。関係者との連携を図りながら、地域に根差した森林管理の重要性が強調された。特に、森林の多面的機能を享受し、市民生活を支える施策が必要とされている。
廃校の活用に関して、教育委員会の田中裕事務局長は、廃校施設の利活用が地域活性化に寄与するとの見解を示した。荘川中学校の活用が特に注目され、地域との強い連携のもと、新たな施設がどのように地域社会に貢献していけるのかが今後の課題となる。
また、農業および畜産業の持続可能性についての議論もあり、林政部の林篤志部長が農業生産の担い手養成に取り組む必要性を挙げた。新規就農者の支援策を強化し、コミュニティー全体で持続可能な農業を育んでいくことが求められる。
介護職員不足の問題は、市民福祉の向上に直結する重要なテーマである。福祉部長の川原幸彦は、研修や育成支援策の拡充を報告し、新たな人材確保に向けた取り組みが進められていることを示した。
最後に、イノシシや熊といった野生動物の問題も討議された。農家や住民の生活への影響が大きく、有害鳥獣対策の一環として捕獲の安全性や高齢化への危惧が指摘された。
高山市議会では、これら全ての課題に対する関心が集まる中、議員たちが未来に向けた市政について真剣な議論を交わし、進んでいく姿勢が感じられた。これからも、市民とともに、新しい提案や施策に取り組む道筋が模索されていくことが期待される。