高山市議会が令和2年3月4日に開催され、複数の重要なアジェンダが議論された。特に注目されたのは、地域活性化政策、無電柱化促進、そして新型コロナウイルス感染症への対応であった。
まず、地域活性化への取り組みとして、逆参勤交代構想が提案された。都市部の人材を地方に誘致するこの構想は、地域の「関係人口」を増大させ、地域活性化を図ることが期待されている。提案の中心となるのは、企業の社員に一定期間地方生活を体験してもらうというもので、これにより地域資源の価値を再認識し、地域の発展に寄与することが目的であると強調された。
次に、無電柱化の促進についてが議題に上がった。市では無電柱化整備計画を策定中で、主要な観光地や景観形成地域を中心に整備を進める方針が示された。この計画により、見苦しい電線や電柱の無くなることで、地域の景観が向上すると期待されている方向である。また、他都市が無電柱化条例を制定している例を示し、高山市でもその必要性を考慮することを求める意見もあった。
新型コロナウイルスに関しては、感染症対策本部を設置し、早期の対応を行っていることが報告された。国や県からの指導に基づき、公共事業やイベントの中止、外出自粛などが行われ、市民に対しては冷静な対応の呼びかけが行われている。このような事態において、医療機関や福祉関連施設への支援を行い、必要な情報を市民に発信することが重要であると述べられた。
また、食文化の観点からは、地域の独自の食材や伝統を活用した地産地消の促進が強調された。特に、飛騨春慶に代表される漆器の利用促進につながる施策が必要であるとの意見があがり、市民への啓発活動が求められた。
このように、高山市議会では地域活性化や感染症対策、そして無電柱化の推進など、多岐にわたる課題について論議が交わされた。市民の期待やニーズに応える施策が今後どのように進展するのか、ますます注目される。