令和5年第1回高山市議会定例会が3月1日、高山市議会議事堂で開催された。本会議は午前9時30分に開議され、議題として会議録署名議員の指名や会期の決定から始まった。今回の定例会は、予算関連議案が中心となる。
市長の田中明氏は開会の挨拶で、令和5年度予算として一般会計522億円を計上し、過去最大規模の予算編成としたことを強調した。
また、重点的に取り組む施策として、子育て支援や地域振興を挙げ、さらに原油価格や物価高騰への対策も必要であるとした。特に、出産・子育て応援事業を通じて、妊娠から育児までの支援を充実させるという方針を示した。これに関して、議員からの質問もあり、子育て応援金の現金給付について意義を説明し、迅速な支援を求めた。
続いて、財務部長の平野善浩氏が、令和4年度一般会計補正予算(第10号)および(第11号)の専決処分について説明。出産・子育て支援金として用いるため、予算が増額されたことを述べた。また、義務教育施設の長寿命化改修工事に関連する契約変更にも言及し、住民への透明性を持った説明を求めた。
その後、公平委員会委員の選任や高山市の行政組織条例の一部改正についても審議され、特に市長公室の新設や企画部の再編も踏まえ、地方行政の効率化へ向けた取組が期待される。
高山の交通インフラの整備や、観光施設の設置および管理に関する条例改正も提案され、観光資源としての価値を高めようとする姿勢が見られた。例年の議題に加え、新型コロナウイルス感染症に関する影響や課題にも目を向ける発言があり、議会の中でも危機感が共有された。
全体として、令和5年度の取り組みが市民生活に与える影響を考慮した、戦略的な予算編成がなされていることが印象的であった。議会では、これらの議案について審議が続き、率直な意見交換が行われた。