令和2年第3回高山市議会定例会では、新型コロナウイルス感染症への対応が主要な議題として取り上げられた。
松林彰議員は一般質問に立ち、新型コロナウイルス感染症に関する市の施策や経済対策について具体的に質問を行った。
松林議員はまず、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けた市民に対して、特別定額給付金の給付を求めた。これに対し、田谷孝幸企画部長は、市としての経済支援策を詳細に説明。
「第1弾及び第2弾の経済対策として、事業者の資金繰り支援や雇用維持に関する助成措置を実施してきた」と述べ、特別定額給付金については国の指針に基づき迅速に市民へ届ける努力をしていると強調した。
また、松林議員は「全市民を対象とした特別定額給付金の給付について、市の見解を伺います」と問いかけた。田谷企画部長は、国による1人10万円の特別定額給付金の迅速な処理や、経済活動の支援に向けて、市独自の取り組みが必要であると答えた。実際、6月8日時点で全世帯の95%に相当する約3万4,000世帯への給付手続きを完了している。
さらに、松林議員は、新型コロナウイルス感染症が引き起こす可能性のある経済の二次的影響についても懸念を示した。「景気後退の痛みを和らげる施策が求められている」と指摘し、地域経済の活性化に向けた具体的な施策を要望した。これに対し田谷企画部長は、事業者への支援を継続し、「長期的な景気対策が必要」と述べ、施策の改善を図る意向を示した。
また、避難所運営や新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた地域医療体制についても具体的に議論が交わされた。清水孝司総務部長や荒城民男福祉部長がそれぞれ答弁し、避難所における感染対策や医療支援の重要性が強調された。これらの発言から見えるのは、感染症への対策を見据えた新たな生活様式の重要性であった。
さらに、今後の教育施策についても議論され、小中学校の再開に伴う学習支援や不登校に対する対応が話題となった。教育長中野谷康司氏は、児童生徒が安心できる学習環境づくりを目指しており、個別面談や家庭訪問を重視し、保護者との連携を進めることで心のケアに努める意向を示した。
議会では、観光業の重要性が再確認され、観光客誘致に向けた施策も検討されるべきだとの意見が多く上がった。市としては、地域経済の回復に向けた多面的な支援策の必要性を訴え、新たな観光プロモーションや地域資源の活用を模索していく方針を示した。