令和3年10月25日に開催されたいわき市議会では、内田広之市長が、就任初の定例会に出席した。市長は、現在のいわき市が抱える課題について、活力あるまちづくりや新型コロナウイルス感染症への対応を中心に述べた。特に、地域医療の確保、特に医師不足の解消を喫緊の課題として挙げた。
市長は新型コロナウイルスに対して、短期的には感染拡大防止の徹底が必要であると強調し、経済対策を並行して実施する考えを示した。その中で、医療人材の確保が不可欠であるとの認識を示しつつ、「医師確保のための課題を見える化し、計画を策定する委員会」を立ち上げる予定があると発表した。
この会議では、特に新型コロナの影響を受けた医療センターの常勤医師数の推移についても語られた。昨年度と比べ、医業収益が減少した背景には、一般患者の受診控えが影響しているとし、医業収益の安全性を高めるため、国や県の財政支援を最大限利用し、今後も積極的に取り組む意向を示した。
防災に関して、市長は「逃げ遅れゼロ」、災害死ゼロを目指した取り組みが必要であると強調した。特に、地域住民の活動を推進し、十分な防災教育を行うことが鍵であると述べた。自助、共助、公助のバランスを考慮し、地域防災力の向上を図る必要性を訴えた。地域の自主防災組織や民生委員の役割も重要であるとして、その活動支援を強化する考えを示した。
今後の取り組みとして、市長は、地域の特色を生かした観光戦略の推進も掲げた。特に、いわき市の美味しい食材を利用した観光キャンペーンの強化や、市内の高校生・大学生へのインターンシップの搭載を検討する方針を明らかにした。
さらに、医療と福祉の連携を強化し、地域包括ケアシステムの構築を目指すことを明言した。高齢化に対応するための具体策を提示し、医療機関との連携を密に取り組んでいく考えである。特に、地域の医療と介護が一体で機能する体制が求められるとの認識を示した。
市長は、さまざまな課題について市民から意見を吸収しながら、持続可能な福祉と医療の環境を整えていく決意を示した。今後、具体的な政策展開に多くの期待が寄せられる。