令和3年2月、いわき市議会は定例会を開き、令和3年度の一般会計予算案を可決した。この予算は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた市民生活や地域経済を支えるための施策が盛り込まれている。
予算案では、新型コロナウイルス感染症対策として、医療提供体制の整備や市内宿泊施設の割引補助が計上されている。清水敏男市長は、「市民の命と生活を守るために、徹底した対策を講じる」と述べ、迅速な対応を求めた。
また、介護保険条例の改正も話題となった。議案第16号では、介護保険料の引き上げが提案され、国、県、市の共同負担が見込まれている。これに対し、議員からは市民への負担増を懸念する声もあがった。特に、生活保護を受けている世帯や低所得者層への影響が懸念されている。反対意見も存在し、福島県内の他市と比較し、保険料の据え置き要請がなされる場面もあった。
さらに、議案第34号のマイナンバーカード関連予算についても、多くの議員が疑問を呈した。特に、個人情報保護やプライバシーの侵害の可能性についての懸念が強く示された。議員の一人は「国は利便性向上を謳うが、実際には市民の情報が容易に収集され、監視社会へと進んでいる危険性がある」と指摘した。
新型コロナウイルス感染症に関し、清水市長は、ワクチン接種に向けた体制の整備にも触れ、集団接種が円滑に行えるよう準備が進められていることを報告した。市としての支援体制が整いつつある一方で、今後の進捗について注意を払う必要がある。
議会では、施設の老朽化対策や新たな教育プログラムへの対応も含まれ、市長は、市民生活や消費喚起策を見据えた施策を推進していく考えを示した。今後も市と市民との連携を強化し、市民サービスの向上を目指す方針である。