令和元年12月12日の定例会において、いわき市議会は市政に関するさまざまな質問と議案について議論した。
市営住宅に関する質問では、21番の渡辺博之氏が台風第19号の影響を受けた低所得者に対する家賃減免制度について取り上げた。渡辺氏は、特別の事情により家賃を減免できるとする公営住宅法の規定が実際にどう活用されているかを問いただした。
渡辺氏は、2018年度には48の中核市のうち36市に減免制度があることを示し、不透明な実施状況に警鐘を鳴らした。「現在の収入状況を反映した減免制度を導入すべき」と訴えた。また、土木部長の根本英典氏は、他市の減免制度の影響を調査し、本市の財源管理に影響が出る可能性があることを確認していると述べた。これに対し、渡辺氏は、県営住宅の最低家賃を基準とした減免制度を強く望むと強調した。
次に財政面についての議論では、借金の管理と貯金の状況が話題に上った。年月を経るごとに借金の割合は増えており、特に臨時財政対策債が占める割合は2014年度は約40.5%、2018年度には47.7%に達した。財政部長の澤田洋一氏は、「適切な市債の総量管理に努める」との姿勢を示した。また、借金返済の公債費も少なくなったが、依然として過剰な負担がかからないようにする必要があると述べた。
また、最近の台風第19号による災害を受けて、新しい緊急支出と財政負担についても議論がなされた。市長の清水敏男氏は、直ちに復旧事業に向けて動く姿勢を見せたが、実際の財政的な見通しには不透明さも残る。
更には、万全な避難所の整備が求められる中、塩沢昭広氏が災害時の避難所環境整備の重要性を訴え、危機管理監の山田誠氏が「誰もが安心して避難できる体制を確立する必要がある」と応じた。市では、スロープの設置や防犯体制の強化に向けた対応を進めていくとともに、その進行を監視する方針である。
これらの質疑応答から、いわき市として市民の生活を守るための取り組みが進められつつあることが明らかとなった。今後も、市営住宅の家賃減免の拡充、適切な財政運営とともに、市民協働を重視したより良い避難所づくりが求められる。