令和5年いわき市議会の定例会が開催され、重要な議題が扱われた。特に、人口減少や新型コロナウイルスへの対応が焦点となった。
市長の内田広之氏は、人口問題について、特に若者の流出に懸念を示した。市は福島国際研究教育機構（F-REI）との連携を強化し、新規産業の創出を目指すとの考えを示した。これにより、地域の魅力を高め、若者の還流を狙う。若者を引きつける要因として、F-REIの動きといわきFCの活動を挙げた。
また、新型コロナウイルス感染症については、法的位置づけが変更され、感染防止策の市民の自律的判断に委ねられることを強調した。しかしながら、夏に向けての感染波に備えた対応が依然として重要である。市長は医療関係者への感謝の意を表しつつ、感染拡大に対する警戒を促した。
さらに、ALPS処理水の海洋放出問題の報告も行われた。市長は、漁業者の懸念を受け止め、新たな風評が生まれないよう、国とも連携して安全情報の発信を続ける必要性を訴えた。処理水に対する反対の声が根強い中、慎重な対応が求められている。
この他、市は産業人財の確保と育成に向けた複数の連携協定を締結し、地域経済の活性化を図る。特にデータを活用した新しい価値の創出を目指し、多様な人材を育成する方針である。具体的には、数学検定協会や発ジャパンとの協力関係を示した。
議会では、条例案や補正予算案が提案され、今後の審議が予定されている。議案は21件に上り、地方創生を目指した内容が多い。特に、国民健康保険税の改正に関するものや、施設整備に関する議案が含まれる。
最後に、次回の会議は6月5日午前10時から再開されることが確認された。議事は市政一般に対する質問が予定されている。この定例会は地域の未来を見据えた重要な機会となるだろう。