令和3年11月26日にいわき市議会の臨時会が開催され、主に職員給与に関する議案が審議された。午前10時に開会し、議事が進行した。
市長の内田広之氏は、いわき市職員の給与に関する条例改正についての提案理由を説明した。人事院からの勧告に基づき、本市職員の期末手当が年間で0.15月分引き下げられる内容である。この改正により、市議会議員や市長、副市長、その他の職員の期末手当についても引き下げが求められると強調した。
内田市長は、「人事院勧告及び福島県人事委員会勧告を尊重し、地域の民間企業の実態を反映した対応を行っている」と述べ、議案の必要性を訴えた。しかし、議員からは反対意見も上がった。日本共産党の菅野宗長氏は、「職員の給与引き下げは、地域経済に逆行する」と指摘し、地域の消費拡大の観点からも否定的な見解を示した。
続いて、委員長報告や質疑にも多くの意見が交わされた。市民生活常任委員長の報告の中で、職員人件費に係る予算の補正が必要であるとの見解が示された。さらに、職員がコロナ禍での業務において多大な負担を強いられていることを受け、「モチベーションを保つためにも給与引き下げは慎重に考えるべき」との意見が多く見受けられた。
それを受けた質疑に対し、内田市長は「県外の他市では一時金を引き下げないケースも増えている。経済情勢に応じた適正な水準を確保する必要がある」と反論したものの、影響を懸念する議員の声が相次ぎ、討論が続いた。
議案は、その後一括して採決に回され、議案第１号から第14号までの可決が決定した。特に職員の期末手当引き下げの議案は、多くの議員が賛成し、可決となった。いわき市民にとっても、これらの議案が今後の経済活動に与える影響は注視すべき事象になるだろう。