令和6年2月21日、いわき市議会は定例会が開催され、市政に関する質問が行われた。今回の議題は主に財政問題、構造改革、そして観光の状況に関する内容が取り上げられた。
まず、議員の佐藤和美氏は財政問題について質問を行い、令和6年度の当初予算案が掲げた財政目標を中心に論じた。財政部長の横張貴士氏は、令和5年度の決算見込みについて言及し、収入面では前年並みの市税を見込む一方で、歳出面では災害復旧事業費が増加する見込みを示した。これにより、財政調整基金を取り崩す必要が生じることも予想され、将来的な財政運営の健全性が懸念される。
次に、構造改革に関する質問では、自治体の行政手続きのデジタル化が話題に上った。LINE市役所の取組を紹介し、特にデジタルが苦手な高齢者や障がい者への配慮が重要だとの意見が共有された。総合政策部長の津田一浩氏は、デジタルツールの導入が市民に利便性をもたらすが、両輪としての従来の対面サービスの維持が求められると強調した。
観光に関しては、観光文化スポーツ部長の千葉伸一郎氏が回答し、昨年度の観光施設の入場者数が回復傾向にある一方で、コロナ前の水準には戻っていないとの見解を示した。特に、いわき市内の主要観光地であるスパリゾートハワイアンズの入場者数は前年より増加したが、旅行者の志向の変化に対しては課題が残るとされている。市独自の宿泊割引や観光プロモーションを実施し、集客に努める姿勢が見られた。
さらに、議会ではジェンダー平等の重要性が討議された。こどもみらい部長の長谷川政宣氏は、困難な問題を抱える女性への支援を強化する女性支援法の施行への取り組みを述べ、社会的な偏見に対して理解を深める教育が重要であると述べた。