令和5年3月9日のいわき市議会定例会では、議案第1号から第70号及び請願第1号が審議された。
審議の中で特に注目されたのは、議案第2号「いわき市行政手続等における情報通信の技術の利用に関する条例の改正」だ。これに関して、政策総務常任委員会の鈴木 演委員長氏が「オンライン手続きの推進により、市民の利便性向上を目指す」と説明した。この改正は、申請や届出をオンラインで行えるような共通事項を定め、特に手数料のオンライン決済を導入するためのものである。委員からは高齢者への支援に関する質疑があり、当局は「スマホ教室を開催することで支援を続ける」との回答をした。
また、議案第3号「いわき市議会議員の議員報酬に関する条例改正」も重要な議題だ。この改正は、福島県人事委員会の勧告に基づき市議会議員の期末手当を引き上げる内容である。議論の中で、反対意見として「市民の生活が厳しい中、議員報酬を引き上げるのは理解を得られない」との主張があった。これに対し賛成意見は、「社会経済状況を考慮し適正な処遇を行う必要がある」と述べた。
その後の採決では、改正案が賛成多数で可決された。議案第36号「令和5年度いわき市一般会計予算」については、デジタル技術を用いた24時間対応の自動応答システム導入や、防災対策の充実、地域活性化を目指す経費が盛り込まれている。これにより、職員の効果的な人材活用と市民サービス向上が期待されるという見解だ。
さらに、請願第1号に関しては、「開発行為で設置された公共施設の底地をいわき市名義にせよ」という求めが出されたが、議論の結果不採択となった。賛成意見が「開発基準を守るべき」とする一方で、反対意見が「管理コストの増大を懸念する」と強調した。この請願が不採択となった理由として「市民の皆様の理解が得られない」とされ、透明性の重要性も再確認された。
全体を通して、議会では市民の利益を最優先に、経済的な状況を受け止めた柔軟な対応が求められながら、必要な人材マネジメントやサービスの向上に向けた取り組みが示された。今後も、構造改革の取組や政策の透明性が議論の中心となっていくことが予想される。