令和5年12月の香取市議会では地元の教育や医療、農業問題に焦点を当てた重要な議論が交わされた。
特に学校給食の無償化については、市民からの強い要望が寄せられている。佐藤好文議員は「学校給食の無償化を進める声が大きくなっている。周辺市町の取り組みも見え、香取市でも進展が必要と考えます」と訴えた。市長の伊藤友則氏は、完全無償化には約2億2,600万円の財源が必要であるとし、慎重な判断が求められると強調した。また、教育次長の高岡洋一氏は、無償化対象者は県の助成も活用していることを明かし、今後の検討を約束した。
次に産婦人科の開業問題について、田代一男議員は「香取市には産婦人科が長らく存在しない。出産環境が整わなければ、さらなる人口減少に繋がる」と懸念を示した。福祉健康部長の荒井秀男氏は、「医療法人との協業が進められているが、建設費高騰により開設が遅れている」と謝罪した。この発言を受け、議員たちは開設時期について引き続き関心を持って注視することを確約した。
農業問題については、後継者不足と農業従事者の高齢化が深刻であり、根本義郎議員は「離農を防ぎ、後継者を育成するための施策を急ぐべき」と提起した。生活経済部長の平野靖氏は、市単独の新規就農助成金制度を紹介し、国や県の支援制度も利用していると説明したが、農業経営の厳しさは変わらない様子が伺えた。
また、ナガエツルノゲイトウの駆除問題についても言及があり、木村稔建設水道部長は「特定外来生物の駆除を進めており、県との連携を強化している」とのこと。環境問題に対して香取市の対応がさらに求められることになる。
最後に町並み観光における駐車場問題について、当日の混雑状況を受けて市民からの不満が伝えられた。平野部長は「混雑時の対応を見直し、交通誘導員を配置する方針」と述べ、観光客の快適な訪問を重視する姿勢を明らかにした。市全体として、観光を支える施策の伝達の強化が課題であることは明白で、地域活性化に向けた取り組みを期待される。