令和5年9月29日、香取市議会は定例会を開催し、複数の重要議案が審議された。
注目されたのは、一般会計補正予算の2件である。議案第1号「令和5年度香取市一般会計補正予算(第5号)」は、歳入歳出に各8,000万円を追加する措置で、補正後の総額は約364億円に達する。これには観光庁の観光再始動プロジェクトに関連した施策が含まれ、特にインバウンド観光を強化することが期待されている。市長の伊藤友則氏は「観光振興対策事業に770万円、業務支援委託料に7,230万円を計上」と説明した。
次に、議案第2号「令和5年度香取市一般会計補正予算(第6号)」では、さらに10億円を追加し、補正後の総額は約374億円となる。これは主に道路維持や新設改良事業の予算が含まれ、市民の交通インフラ整備に寄与する。市長は「財政調整基金への積立てや、地域発展を図る事業調査費も新たに計上している」と述べた。
その他の議案では、特別会計補正予算が続き、国民健康保険や介護保険の収支補正も行われた。特に介護保険事業には4億円以上が追加され、今後の介護サービスの安定提供が図られる。
さらに、市内の観光振興を目的とした発議案も審議され、地元産を使った飲食の促進や、他市との観光連携を強調する意見が上がった。前田誠之議員は「地域の特産品を使ったメニューを開発し、地元の魅力を発信すべき」と指摘した。
一方で、学校給食の無償化や産婦人科の開設に関する質問内容が多く、福祉健康部長は「早期開設に向けて努力している」と答弁した。また、伊能敏雄議員からは協働による町おこしの必要性が提案され、地域活性化に向けた具体的な施策が求められた。
新たな施策を進める香取市は、財政健全化も意識しつつ、持続可能な地域発展に向けた繰り返しの議論が続いている。議会は今後、提出された議案の審議を進める予定である。