令和元年12月11日、十和田市で開催された第4回定例会は重要な議題を盛り込み、活発な意見交換がなされた。
議題の中心は、戸来伝議員による一般質問であり、旧農林総合研究所藤坂稲作部跡地の利活用について取り上げた。戸来議員は、「藤坂地区には中学校がかつて存在しており、地域活性化のためにも、この跡地を市が買い取り、コミュニティセンターに転用することを提案したい」と述べた。市長の小山田久氏は、現在、売買の協議が進行中であることを強調しつつ、住民との対話が重要であると答えた。
また、戸来議員は消防分署の設置の重要性にも触れ、地域における初期対応の迅速化を求めた。この提案に対し、副市長の西村雅博氏は、地域住民の安全のために消防車両の配置見直しが必要であるとの見解を示した。
さらに、防災対策としてのドローン活用についても言及された。戸来議員は「ドローンは新たな技術であり、災害時の情報収集等に大きな可能性を秘めている」と訴えた。この発言に対し、教育部長の江渡準悦氏は、ドローンの導入が進んでいることを確認した923252。実際に、奥入瀬川の救出訓練でも成功を収めたと述べた。
一方、石橋義雄議員は、鞍出山穴堰等の文化財指定に関して疑問点を提起した。指定に至らなかった理由について、教育部長の江渡準悦氏は文化財保護審議会が全会一致とならなかったためと説明。しかし、稲生川や過去の開拓精神を伝える貴重な資源であることへの評価に賛同者が数少なかったことへの不満もあった。
その他、社会保障費および医療給付費の見通しに関する質問も上がり、市長は地域医療機関の持続可能な運営が課題であるとし、今後も適切な財政運営を行う意向を示した。
最後に、道路行政についても触れられ、地域高規格道路の整備についての進捗状況が報告された。市は県と連携を取りながら、地域の交通基盤の整備に努めていることが確認された。
市政に関する重要課題に対し、出席議員たちは活発な議論を展開し、地域の未来に向けた提案が数多くなされる有意義な時間となった。議長の竹島勝昭氏は出席者に敬意を表し、次回の会議の日程を告知した。