令和5年3月10日、十和田市で行われた定例会には多くの議員が出席し、市政に対する一般質問が行われた。議題には、病児・病後児保育に関する質問が特に注目を集めた。
一般質問では、氣田量子議員が病児・病後児保育の現状について訴えた。彼女は、急な病気で保護者が仕事を休めない場合の保育サービスの重要性を強調した。特に、保育士や看護師の人手不足があり、多くの保育施設が赤字運営を強いられている実情を指摘した。過去のアンケート結果も引用し、1歳児の保育園児が年間10日近く体調不良で休むケースがあると述べ、働く母親にかかる負担の大きさを訴えた。
これに対し、市長である小山田久氏は、病児・病後児保育事業を令和5年度も継続することを確認し、低所得者世帯に対する利用料免除についても新たな予算案に計上する意向を示した。また、保育時間の延長については、十和田東病院からの要望により、保育士の雇用を増やす必要があるため難しいとの答弁だったが、引き続き担当部長が具体的な要望に対しては検討を進めるとする。
更に、がん患者への支援についての質問も見られた。氣田議員は、医療用ウィッグや乳房補正具購入の助成につい觸れ、助成が必要であると訴えた。市長は、がん相談支援センターでの相談件数を増やし、医療用ウィッグに関する支援の検討を進める考えを示した。
また、ブックスタート事業では幼児向けの絵本配布事業の再開についても議論された。若年層への情報発信が求められ、地域開催のイベントやボランティアによる絵本の読み聞かせプログラムが提案された。
一方、農業分野では、畑地化促進事業が現在の農業経営者に与える影響が懸念され、農林水産部門からは金額や申請方法についての詳細が示された。特に、昨年度の収量に基づく補助金の取り扱いについて農家の意見を聴取した今後の施策が期待されている。
ここで再度、交通安全と労働者不足が取り上げられ、除雪体制や地域交通への具体的施策が議論された。市の安全管理課からの発表で、交通安全のための新たな施策導入が進められることが報告された。
この日の定例会を通じて、様々な分野における市民サービスおよび施策が見直され、今後の十和田市の施策が一層求められることとなった。特に、病児・病後児保育やがん患者支援、地域商業の振興策などについては、今後の検討が期待される。