令和3年3月10日、宇部市議会では、市政運営や新型コロナウイルス感染症対策、令和3年度当初予算案について重要な議論が展開された。その中で市長の施政方針や各議員からの質問が行われ、多方面にわたる市の施策が確認され、議会の活発な意見交換がなされた。
特に、新型コロナウイルス感染症防止対策の強化が議論され、ワクチン接種体制の整備が急務であることが強調された。市長は「地域の医療機関と連携し、接種が円滑に進むよう努めている」と述べ、接種場所についても11か所を設ける方針を示した。さらに、高齢者や基礎疾患のある市民への接種支援も実施しており、具体的には65歳以上や特定の医療行為が必要な方への検査助成を行うことが計画されている。
加えて、プレミアム付商品券の発行が示された。新型コロナウイルスの影響で苦しむ経済回復のため、価格1万円に対し30%のプレミアムをつけて、約9億円の経済効果が見込まれるとしている。特に地方の飲食やサービス業の支援に資する期待も寄せられている。
また、教育の分野では、特にICT環境の整備が進められ、全小中学校で一人一台パソコンの整備が目標にされている。これにより、デジタル人材の育成や学びの新しい可能性が広がることが期待されている。市長は、「デジタル技術の活用が、今後の教育を変革する鍵」と述べ、特に次世代のスキルに焦点を当てた教育施策の推進を約束した。
防災対策においては、新型コロナ禍を踏まえた避難所運営が訴えられ、感染症拡大防止策としてのマニュアル整備や避難場所の設定の重要性が指摘された。市としては、コミュニティや地域の協力を得て、災害時の対応力を強化する方針が示された。
全体を通して、宇部市は地域課題の解決や市民との協働を重視した施策を進める考えを表明した。市長は「未来を担う人材育成や経済活性化へ向け、全力で取り組む」と述べ、今後の市の発展を訴えかける姿勢を強めた。