令和5年第1回定例会が開催され、様々な議案の審議が行われた。
特に注目を集めたのは、子ども医療費無償化の施策である。市長の前田晋太郎氏は、人口減少対策の一環として、この施策が市民の安心感を高めることに寄与するとして、必要な財源を確保する意向を示した。具体的には、無償化の対象を小・中学生に拡大し、令和5年10月から制度を実施する。さらに、高校生の入院に係る医療保険適用分についても全額助成する方針を明らかにした。高齢者福祉も重要な課題とされ、介護人材の確保や、家事・育児支援の強化についても議論が展開された。
次に、学校給食費支援事業についての議論があった。新年度においても、物価高の影響を受ける中で、給食費を半額以上軽減する措置が計画されている。これは、子育て世帯への支援を強化するコスト効率的な施策として位置づけられており、特に高齢者や子育て世代からの支持を受けている。
また、妊娠出産子育て支援事業では、伴走型相談支援を実施し、専門職による相談窓口が設置されていることが強調された。この施策は、子育て世帯だけでなく、特に困難を抱える家庭へ向けても充実を目指している。数名の保健師や助産師が担当し、国の制度との連携を深めながら支援体制を整えているという。
さらに、スマートシティの実現に向けた施策として、デジタル技術を活用したタクシー配車システムの構築も進行中であり、今後の生活の質向上に資することが期待されている。これに加え、下関市立大学ではデータサイエンス学部や看護学部の開設に向けた準備がなされており、地域の人材定着と経済の活性化に寄与する見込みである。
市長は、さまざまな支援策を通じて住みやすいまちづくりを進める意欲を表明し、議会での意見交換を通じて、引き続き市民へのサービス向上を図っていく考えを示した。今後厳しくなっていく社会情勢の中で、すべての住民が安心して暮らせる場を提供するため、議会と共に取り組む重要な礎を作るための努力が求められているものと見受けられる。