令和2年3月4日、防府市議会において第1回定例会が開かれ、市長の行政報告が行われた。
池田豊市長は、新型コロナウイルス感染症に関する対策について説明した。市は感染症対策本部を立ち上げ、学校や公共施設に消毒液やマスクを配布したと述べた。また、公民館や学校の行事を原則中止または延期する指示を出したことも強調した。
さらに、山口県下関市で感染者が確認されたことを受け、感染拡大防止対策の強化を指示。また、日々変化する状況に柔軟に対応するとし、市民の健康と安全を守るため全庁的に取り組む方針を示した。特に、学校の臨時休業に対しては、家庭で過ごすことが難しい児童のために、放課後児童クラブでの終日保育を整え、60人の申し込みを受け入れ始めた。
次に、令和元年度防府市一般会計補正予算が審議された。久保潤爾予算委員長は、補正予算に対する予算委員会の審査経過を報告し、教育民生分科会が児童・生徒1人1台のタブレット端末導入を進めるとともに、ネットワーク環境を整備する必要性について説明した。委員からは、整備の遅れを懸念する声が上がった。
また、市長は令和2年度の一般会計予算についても説明した。総額は421億7,500万円で、前年度比で約20億円の減額。その要因として新型コロナウイルスの影響を挙げ、今後の状況によっては対応を模索する必要があるとした。特に、教育や防災に関連する施策を重点的に進める姿勢を見せた。
施政方針演説では、東京オリンピック・パラリンピックに向けた取り組みを話し、地域の活性化と安全対策を両立させる方針を示した。また地方創生や少子化対策に関しても取り組む必要があると述べた。しかし、近年の自然災害の増加に鑑み、特に防災対策の重要性を強調した。
その後、市長等の損害賠償責任の一部免責に関する条例や、防府市国民健康保険事業特別会計予算が議題にあがり、一定の見直しが進められた。特に国保の軽減措置や予算については市民の負担軽減が期待される内容となった。
議会は、これらの議案に対する質疑を行い、一括して可決された。市長は、防府市の今後のまちづくりを支えるため、議会との連携を強化し、必要な施策を進めていく意欲を示した。今後も議会での審議を通じ、市民の声に応える施策が期待される。