令和2年第6回防府市議会が12月11日に開催された。市民に寄り添った施策や地域活性化に向けての取り組みが議題に上がり、特に妊産婦支援や障害者福祉についての意見が交わされた。
最初に議論されたのは、妊産婦健康サポート事業についてである。市長の池田豊氏は、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、不安を抱える妊産婦のために、旬の地元食材を届ける取り組みが進められていると報告した。本事業は、復興の一環とし、農業や漁業従事者を支援する意味もある。
具体的には、妊娠届を提出した方々に対し、米や野菜、魚などを3回に分けてお届けする事業となっており、既に第1便が発送されたことが伝えられた。「とても助かります」「届けてくれてありがとう」といった感謝の声が増えていると池田市長は述べた。
次に、障害者福祉の充実が取り上げられた。特に障害のある方々が特性に応じて、コミュニケーション手段をどのように利用しているかが問われた。健康福祉部の藤井隆氏は、手話通訳者派遣や要約筆記、音声市広報や点字市広報の発行など、多様なコミュニケーション手段を提供していると報告。
さらに、手話言語条例についても話題となり、地域社会において手話が言語であることを広く認識し、聾者が言語として手話を使える社会を実現するための条例が、来年度に策定予定であると説明された。この条例は、コミュニケーション手段に対する理解促進や支援を拡充する意図がある。
「誰もが安心して暮らせる地域共生社会の構築」を目指して、市の施策に期待が寄せられている。議会内では、地域密着型の障害者教育や福祉の充実を図るために、行政と地域が連携することの重要性が強調され、今後の取り組みが注目されている。本会議では、妊産婦や障害者を含む、すべての市民に対する支援がいかに重要で、またそれらを実現するための予算確保が求められた。議会の雰囲気は市民への真摯な姿勢を感じさせるもので、より良い防府市を目指して進んでいく決意が伝わった。