令和2年3月10日に行われた新宮市議会定例会での一般質問では、様々な重要なテーマが議論された。特に、市の財政問題や人事評価制度の見直し、教育行政への改善意見が目立つ発言の中心にあった。
多くの議員が市に対し、人事評価制度の現行の運用に疑問を呈した。1番目の大西強議員は、財政問題に関連し、教育長への質問集中の理由を挙げ、「恒産無くんば恒心無し」という孟子の言葉を引き、経済の安定が人材育成には不可欠であると主張した。
次に、採用活動の評価に対する懸念が強調され、行政の理念や理念の浸透の重要性が問われた。議員からは、「人事評価制度が差別制度を助長している」との主張もあり、教育長と市長に具体的な改革を求める声が上がった。特に、大西議員は、教育に関する財政の観点からの質問を通じて、人材育成の観点を重視する必要性を力説した。
さらに、災害時の対応策や市内の安全確保についても活発な意見交換があった。松畑玄議員は、新宮市の観光が通過型観光に留まっている現状を憂い、宿泊型観光への転換が必要と指摘した。新宮市の魅力を引き出すためには、観光資源の磨き上げと商品化が重要であると強調した。また、インバウンド対策としての観光振興の進展が求められている。
新宮市は現在、多くの観光資源を有するものの、それらを十分に活用できていない現状があることが指摘され、地域の多様な魅力を引き出すためには、観光振興計画の具体的な成果に向けた施策が必要であることが繰り返し強調された。市長は、観光施策が財政にも好影響を与えることを考慮し、具体的なプランを模索する考えを示した。
また、ブロック塀や狭い道路についても市民の安全を確保するための取組が必要であるとの意見が出され、新宮市の行政が市民の期待に応えるための細やかな対応を進めるよう要望が寄せられた。
今後の新宮市にとって、行政の理念や施策がどのように市民の生活に影響を与え、安心・安全なまちづくりが進められるのかが大きな課題となるであろう。議員たちの活発な意見交換は、より良い新宮市を指向する重要な一歩となった。