令和5年3月、新宮市議会定例会が2月28日に開会し、市民生活に密着した重要な議題が多数審議された。この会議では、新年度予算や様々な条例改正に関する議案が提案され、市民生活の向上を目指す施策が中心に議論された。
特に注目されたのが、田岡実千年市長の挨拶で、個別の施策に注力する姿勢が強調された。「市政は市民のためにあり」との理念の下、安心・安全なまちづくりの一環として、既存施策の強化や新たな施策として、子育て支援に重点を置くことが示された。市長は新たに子育て用品の支給や放課後児童クラブの新設を通じて、人口減少に対応していく方針を打ち出した。
また、新宮市特別職の職員報酬改正に関する議案第13号については、政治倫理審査会委員の報酬を定める必要があり、新宮市一般職の職員給与に関する条例改正の議案も同時に上程された。これは地域における職員の適正な報酬確保を目指すものである。
市報告では、公設市場や新宮港の経過報告も行われ、地域経済の活性化に向けた施策が進んでいることが確認された。特に新宮港に関しては、地域おこし協力隊の採用やクルーズ客船の誘致に向けた活動が進行中であることが伝えられた。
さらには、国民健康保険条例の改正や新年度の一般会計補正予算(第8号)の審議も行われ、出産育児一時金の支給額の見直しが求められる中で、財政状況を踏まえた慎重な議論が必要とされている。このように、予算の具体化が市の経営に大きな影響を与えるなか、さらなる注意が求められる。
今後は、新年度予算案に対する質疑が続く見通しであり、市民の生活に直結する重要な施策が進行していくことは間違いない。新宮市議会は、市民の声を反映しつつ、信頼される施策の実施を目指す姿勢を貫いていくことが期待されている。