令和1年12月新宮市議会定例会は、重要なテーマが数多く取り上げられ、各議員から活発な意見が交わされた。
まず、福田讓議員は、医療センターの経営方針と医療改革について質問を行い、地域医療の重要性や過去の医療機関へのアクセス状況を報告した。特に、高齢化や少子化の影響を考慮した医療体制の見直しが求められている。この点について、医療センター庶務課長の奥靖氏は、「迅速な改善策が必要」とし、今後も周辺市町村との連携を強化していく方針を示した。
また、観光行政に関する議論も活発化した。福田議員は新宮市の年15回から16回入港する豪華客船について、文化複合施設が完成する2021年にあわせて観光施策を強化すべきだと述べた。その中で、商工観光課長の勢古口千賀子氏は、「田辺市や和歌山市など近隣市町村と連携した地域の魅力発信に努める」とした。
次に、公共交通についての議論も行われた。特に、熊野川町における路線バスの廃止に対して、岡崎俊樹議員は市としての対応策を求めた。企画政策部長の新谷嘉敏氏は、「デマンドタクシーの導入により、地域住民の利便性の向上を図る」との考えを示した。
防災対策についても真剣な討議がなされた。特に、災害時の迅速な情報提供の重要性が認識され、改善策としてのコミュニティ FM 放送局の設置が提案された。防災対策課長の佐藤尚久氏は、「災害時の情報伝達手段については多角的に検討している」と述べた。
教育や学力向上についても、既存の教育施策の見直しが求められた。特に、過去三年の学力テスト結果を踏まえて、新宮市の教育施策に未来志向の改革が必要であると強調された。一方、教育長の速水盛康君は、「生徒が主体的に学ぶ環境を整えていく方針である」を示し、努力の方向性を述べた。
市税についても、減収傾向にある中で各市民からの寄付や税金の取り決めの重要性が訴えられた。税務課長の南守君は、「適正な課税と徴収の確保に努める」と強い決意を示した。
今回は、多角的な視点から新宮市のさまざまな課題について活発な意見が交わされ、議会への期待が高まる中で質疑が行われた。市全体での連携や、各事業に対する取り組みを更に進め、市民に寄り添う施策が求められている。