令和元年の新宮市定例会で行われた一般質問において、議員たちは新宮市の観光振興や公共交通政策について熱心な議論を展開した。
特に、熊野川町地域の再生に向けた取り組みが強調された。議員の上田勝之氏は、人口減少に歯止めをかけ、市民が安心して暮らせる交通体系の整備が急務であると述べた。また、公共交通の利便性を高めることが地域の活性化につながると強調している。このような観点から、彼は空き家や地域資源を活用した新たな交流促進策の実施を提言した。
観光資源の発掘と活用も重要なテーマである。議員は、地域特性を生かした体験型観光の推進が必要だと主張し、特に熊野川町地域における観光素材の磨きをかけ、訪れる人々に新鮮な体験を提供することを求めた。水産市場や地元料理を活用したイベントの開催が集客につながる可能性も示唆され、多くの議員の賛同を得ている。
さらに、公共交通政策において、特に高齢者や子育て世代に配慮したサービスの実現が求められた。公共交通の再編に際して、デマンドタクシーや乗り合いタクシーの導入が検討されていることも報告された。この制度の導入により、交通弱者となる市民が買い物や通院に困らないよう、さらなるアクセス改善が図られることが期待されている。
文化複合施設の役割についても議論が交わされた。この施設を観光の拠点として活用し、考古展示を行うことで観光名所への集客を図るとともに、地域の文化を広める取り組みが着実に進むことが求められている。観光協会や地元企業による連携が、観光の魅力向上に寄与すると考えられている。
市長は、これらの施策を進めるために、地域の声をしっかりと反映させ、地元企業の雇用を守りながら市民が住みやすい環境を整える必要があると述べた。新宮市の観光資源を最大限に活用することで、地域の活性化と経済の発展を目指す姿勢が示された。