令和2年9月1日、新宮市にて定例議会が開かれ、議案が多数提案された。
特に注目を集めたのは、新宮市病院事業に関する条例の改正である。新たに求められる紹介状の持参範囲が議員間で論議され、市民への影響を懸念する声が多く聞かれた。
須崎誠久医療センター医療業務課長は、今回の改正は保険医療機関相互の連携を強化するためと説明した。具体的には、初診で紹介状なしの受診をする場合に選定療養費が必要となることが強調された。
例えば、内科、腎臓内科、循環器内科、脳神経内科では、紹介状が必須であり、選定療養費の対象外になるとのことである。これに対し、開業医のない診療科に関しても言及され、患者側はますます困難な状況に直面することが予測されている。議員からは、市民への周知が不十分ではないかという懸念も示された。
また、議案第58号で提案された令和2年度一般会計補正予算には、コロナ対策に向けた市民支援策が含まれていた。田岡実千年市長は、予防接種費用の助成やプレミアム付商品券事業が実施される旨を述べ、市民生活の安定を目的に施策を強化する方向性を示した。
議長報告では、今後の市議会運営についても触れられ、選定療養費関連の議案には、さらなる慎重な審議が求められることが議論された。
今回の定例会では、農業委員会委員の任命案件も継続的に議論された。新宮市の農業振興はもちろんのこと、地域環境についても配慮されるべきとの意見が相次ぎ、密接な連携が期待される。政策の持続可能性や透明性が、市民からの信頼を築くカギとなるだろう。